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文化立国への道(承の巻)

◆文化立国の三題噺
え~、文化立国の三題噺を一席。
お題は、<地方主権の確立>、<地方文化の再生>、<地方で保育・教育>。
いずれも<地方~>で、これらを織り込んだストーリー。

・中央集権の官僚制を地方主権に変革し、
・地方や地域の伝統ある文化を再生し、
・その環境で次世代の子供達を保育・教育する。
‥‥ おあとがよろしいようで。

◆地方主権の確立
中央集権の官僚統制は、「経済」中心の産業社会に都合が良い国家体制。
明治維新以来、敗戦を越えて、現在まで維持されてきた。
1990年のバブル崩壊は、その国家体制の崩壊の予兆でもあった。

社会変革の動きは、1993年の細川政権を成立させたが、政治力学の作用で頓挫した。
以後、自民党が実質的に政権の座にあったが、「経済」の再生はできなかった。
小泉改革と挫折、米国発の金融バブルの崩壊、日本の輸出依存経済の破綻、と続く。

8月の総選挙では、社会の変革を求める国民の意思が、民主党に勝利をもたらした。
鳩山政権には、地方主権をぜひ実現するよう期待したい。
ただ、<友愛+地方主権>では、日本再生の具体像が見えないのは、気にかかる。

<中央集権+「経済」>の経済立国では、地方は疲弊し、都市部をも不況に沈めた。
経済立国では、多様な【文化】を破壊し、単純化で成長をしたが、その限界がきた。
成長社会では、単純化=効率的だが、一角が破綻すると連鎖的に全体まで破綻する。

<地方主権+【文化>の文化立国は、元々は多様であった地方から日本を再生する。
文化立国では、地方の多様な【文化】で多様な人材を育成する。
成熟社会では、多様化=安全・安定・安心で、一角が破綻しても他がそれを補う。

既に述べたように、文化立国における地方とは、非・道州制である。
当面は、都道府県を残し、全国で300位の文化圏が散在するのが理想的だ。
(まもなくの臨時国会、所信表明演説で首相は国民に何を語るのであろうか)

◆地方文化の再生
地方には、日本の【文化】を再生する要素がそろっている。
自然、伝統、歴史、特産品、美味、名所旧跡、行事・慣習、方言、伝説、人 ‥‥。
【文化】の再生は、活動的な生活圏としての<文化圏>の再生でなければならない。

各地には、地域の特性を名称にしたいろいろな施設が存在している。
~郷、~里、~村、~国、~ランド、~~、‥‥。
しかし、主に観光目的の<文化圏もどき>が多いようだ。

文化圏では、自らの【文化】で日常生活を営む。
文化圏では、自らの【文化】で人を育て、【文化】を継承する。
文化圏では、自らの【文化】を外部へ発信し、他圏の【文化】に敬意を払う。。。

文化圏では、自然を守り、ふるさとの風景を保つ。
文化圏では、地産地消、省エネ、エコ生活を実践する。
文化圏では、郷土の歴史・風土を住民が学び、小中学校教育で必修化する。

文化圏では、伝統農法水田耕作(大型農機、農薬、化学肥料を使わない)を再生する。
文化圏では、伝統農法水田耕作を、小中学校教育で必修化する。
文化圏では、伝統的な工芸、農芸、漁法、芸能、行事、味覚などを保全する。

文化圏では、保育・教育環境を整備し、子育て世代の移入を図る。
文化圏では、医療・福祉・介護環境を整備し、高齢者の移入を図る。
文化圏では、農業、農工芸などの起業家支援で、志願者の移入を図る。

文化圏では、一般観光客、長期滞在者、外国人観光客をもてなす環境を整備する。
文化圏では、IT環境を整備し、携帯電話などに地域情報(多言語)を配信する。
文化圏では、脱車社会で、自家用車に依存しない移動手段を整備する。

(こんな文化圏があったら、座布団十枚差上げたい)

◆地方環境での保育・教育
文化立国では、【文化】による創造力ある人材の育成が目標となる。
多様な【文化】で多様な人材を、幼少時から育成するのである。
そのためには、地方の【文化】の再生が欠かせない。

これまでの経済立国=技術立国では、知識教育に大きく偏っていた。
幼少時から知識と解法テクニックの詰め込みが重視されてきた。
問題発見よりも、与えられた問題を解く教育であり、創造力開発の教育ではない。

文化立国では、問題発見志向の創造力教育を地方の多様な【文化】に託す。
さらに一歩進めて、自然の中で子供を育てる保育・教育を、地方再生の事業にする。
最適な教材として、その地方の伝統農法による水田耕作を再生し、活用する。

 ◇ ◇ ◇

水田耕作は、千年以上に渡って日本中のほぼどこでも行われてきた。
水田耕作は、気候、地形、水利、土壌、歴史、行事、慣習などと深い関わりがある。
それらの関わりにおいて、日本人の資質が、共通性と独自性をもって醸成されてきた。

つまり、各地の伝統農法には、それぞれ独自な【文化】が包含されている。
機械化された現代農法は、画一的であって、地域特性はほとんどない。
【文化】の再生には、まず、各地の伝統農法を再生、学習することが効果的だ。

伝統農法に触れて育つ子供は、まさに日本の【文化】の源泉を浴びることができる。
自然の豊かさ、自然との共生、農作業の厳しさ、仕事の段取り、読みと決断力、‥‥
生命観、収穫の歓び、共同作業、勤勉さ、経験の重さ、失敗と反省、自己責任、‥‥

教室では得られない実体験の世界が、目の前で展開していく。
自然の中で生活し、遊びながら、体験を子供心に沁みこませるのだ。
明らかに、経験豊富な高齢者は、最も優れた実践的指導者(教師)になる資格がある。