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2015年06月19日

世相:党首討論20150617

◆党首討論を聴く
 17日(水)、国会で党首討論が行われた。
 NHKラジオの中継で聴いた。
 討論は、安保関連法案に集中した。

 民主党の岡田代表は、論点も論理も迫力不足で、首相の対応もこれまでの繰り返し。
 維新の党の松野代表は、今国会での成立に世論の反対が多いことなど指摘した。
 共産党の志位委員長は、論点を「後方支援」に絞り、鮮やかな論理で一本を取った。


◆「後方支援」の詭弁(きべん)
 首相は、「安全な場所を選んで後方支援する」と主張している。

 志位氏は、「後方支援などというものは、国際的に存在しない」
 「軍事的には、後方支援=兵站(Logistics)であり、兵站活動=武力行使だ」
 「武力行使と一体でない後方支援など世界では通用しない」と批判した。
 
 そして、「武力行使と一体でない後方支援の国際法的根拠を示せ」と首相に迫った。

 首相は、かなり追い詰められた感じで、つぎのように答弁した。
 「後方支援とは、憲法9条との関連で、国内向けのもの」
 これは苦しい言い逃れで、詭弁の崩壊に近い。

 面一本!
 後方支援という首相の詭弁=まやかしの論理を論破するのは、正論の論理である。
 志位氏はそれをみごとに実証した。

 明快な論点と論理で丁々発止の議論が展開するのは爽快だ。
 民主党には、これが無い。
 詭弁に付き合って、すれ違いの議論ばかりしている。

2015年06月15日

読書:『露の玉垣』

◆『露の玉垣』を読了
 12日、ようやく読了した、
 
 ・露の玉垣(新潮社 2007年):乙川 優三郎(絶版)

 越後の新発田・溝口藩の藩士の生き方を著した歴史小説。
 「小説新潮」に2006年6月号から連載された8短編が、単行本及び文庫本で発行された。
 18世紀後半に家老を務めた溝口半兵衛の「世臣譜」=『露の玉垣』を素材にしている。

 新潮社のHPから本書の紹介文を引用する:

  度重なる水害や飢饉に喘ぐ越後新発田藩。
  若き家老・溝口半兵衛は財政難に立ち向かう一方、二百年に及ぶ家臣の記録を書き始める。
  後に「世臣譜」と題される列伝は細緻を極めて、故人の人間像にまで及ぶ。
  そこにあるのは、身分を越えた貧苦との闘い、武家の葛藤、女たちの悲哀と希望である。
  すべて実在した人物を通して武家社会の実像を描く、全八編の連作歴史小説集。

◆読後感(全般)
 この小説には、立身出世や剣豪、武将、英雄、成功者などは登場しない。
 生きることに苦悩し、生き方を悩む人間像が描かれている。
 半兵衛の思いと乙川氏の思いが共振し、増幅して伝わってくる。

 乙川氏は埋もれていた「世臣譜」を発掘し、それを小説として蘇らせてくれた。
 「世臣譜」だけでなく、溝口藩の史料や関連資料を研究、実地踏査もされたと思う。
 城下町・新発田に、全く新しい光を当ててくれた貴重な作品である。

  ◇ ◇ ◇

 旧町名が多く出てくるので、古地図を参照しながら読むと、さらに、リアルさが増す。
 藤沢周平は、鶴岡・酒井藩を仮想モデルにして、フィクションの歴史小説を書いた。
 乙川氏は、新発田・溝口藩の史料を素材に、ノンフィクション的な歴史小説を書いた。

  ◇ ◇ ◇

 なるべく多くの新発田市民に読むことをお薦めしたい。
 しかし、江戸時代の元号、武家社会の制度などの基礎知識がないと、手強い小説だ。
 参加者を募って、読書会を開催するのが良いかもしれない。

  ◇ ◇ ◇

 小説の舞台な江戸時代であるが、どこか昨今の日本社会と通じるところも感じる。
 華やかな元禄時代から、瞬く間に、窮乏の社会に転落した。
 そして、窮乏は、いつの時代も、弱者に集中的に襲いかかるのである。

  ◇ ◇ ◇

 この小説を読むと、元の「世臣譜」の内容を知りたくなる。
 どなたか地元の方に、全文の解説書を編纂して欲しいものだ。
 しっかりとした企画でプロジェクトとして実現できればと思う。

2015年06月03日

日常:もうすぐ梅雨入り

◆「夏は来ぬ」を思う
 5月は、夏が来たようにかなり暑かった。
 ふっと、文部省唱歌「夏は来ぬ」の風情を思った。
 季節(旧暦の夏の始め)の風情にあふれる文語調の歌詞がすばらしい。

 1896年(明治29)に発表された。
 昭和の中頃、約60年前には、こんな風情がまだ残っていた。
 それらを失ってしまった今、懐かしいというより情けない。


 「夏は来ぬ」 佐々木信綱 作詞 (Wikipediaより転載)

    1.卯の花の 匂う垣根に
     時鳥(ほととぎす) 早も来鳴きて
     忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ

    2.さみだれの そそぐ山田に
     早乙女が 裳裾(もすそ)ぬらして
     玉苗(たまなえ)植うる 夏は来ぬ

    3.橘の 薫るのきばの
     窓近く 蛍飛びかい
     おこたり諌むる 夏は来ぬ

    4.楝(おうち)ちる 川べの宿の
     門(かど)遠く 水鶏(くいな)声して
     夕月すずしき 夏は来ぬ

    5.五月(さつき)やみ 蛍飛びかい
     水鶏(くいな)鳴き 卯の花咲きて
     早苗植えわたす 夏は来ぬ


◆「新発田マップ」は一休み
 かなり完成度が高まったので、一休み中。
 これから、旧町名、小路の音声ガイドを組込もうとしている。
 そのための資料が乏しく、どうも新発田では「城下町研究」が足りないように思う。


◆小説『露の玉垣』の第2篇と第3篇を読む
 これで半分。
 第1篇と第8篇は、この小説の元である「世臣譜」の著者・溝口半兵衛が主人公。
 第2篇~第7篇は、それぞれ一人の藩士が主人公で、その生き方などが綴られている。

 読了したら、感想文を書きたいと思う。