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世相:アベノミクスの危うさ

◆風が吹けば桶屋が儲かる?
アベノミクスは「風が吹けば桶屋が儲かる」のシナリオを掲げている。

-- → 大胆な金融緩和により、円安になる
-- → 円安になると輸出が伸び、製造大企業の業績が良くなる
-- → 製造大企業の好業績は、系列や関連企業に波及する
-- → 給与が上がり、設備投資が活発になる
-- → 経済全体が活力を取り戻し、デフレを脱却する

たぶん、二番目まではいける。
たぶん、そこで止まりそうだ。
たぶん、国民が豊かさを実感する(桶屋が儲かる)前に、シナリオは破綻する。

なぜなら、シナリオの二番目で恩恵を受けた大企業は、体力のあるうちに、
-- 余剰な正社員を削減し、非正規社員に切替える
-- 余剰な設備を廃し、市場に近い海外に設備投資をする
-- 余剰な資金は金融機関に返済したり、株主への配当に充てる

かくして、
-- 給与はスズメの涙ほどしか上がらない
-- 大企業の生産はさらに海外に移転し、系列・関連企業は仕事を失う
-- 金融機関は融資先が見つからず、国債を買うしかなくなる


◆『禁じ手』を政策にするアベノミクス
アベノミクスに賛同する経済学者や経団連は、<経済>至上主義だ。
<経済>が現代の高度な<社会>を作ってきた、と考えている。
<経済>が正しく機能すれば、<社会>も正しく機能する、と考える。

さりながら、バブル崩壊後のデフレの下で<経済>は、かつての輝きを失った。
もはや、<経済>を活性化するには、『禁じ手』(=金融大緩和)しかない。
あえて、非常手段の『禁じ手』を政策として掲げるのが、アベノミクスだ。


◆シッポがイヌを振る?
確かに、戦後は<経済>の発展によって、豊かな<社会>がもたらされた。
しかし、バブルの崩壊は、それまでの<経済>のあり方の崩壊でもあった。
<経済>が<社会>を作る時代ではなくなったのである。

<社会>があってこその<経済>である。
<経済>では測れない<社会>のニーズが増大している。
国民は、安心して生活できる<社会>を求めている。

イヌはシッポを振れるが、シッポはイヌを振れない。