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原発事故:レベル7

◆レベル7をようやく宣言
12日、原子力安全・保安院は、福島原発事故の評価を<レベル7>に引き上げた。
遅きに失した、というべきであろう。
いまさら<レベル7>としても、事態は少しも好転せず、さらに悪化を続ける。

大気中に放出された放射性物質の量を計算したら、基準を超えた。。
保安院は、3/15-16に起きた2号機の爆発で大量に放出されたため、と説明した。
ならば、その後すぐに<レベル7>に達していたことになる。

事故を矮小化しようとした東電、それに乗った保安院と政府。
事態が改善しているかのごとく、安定しかけているかのごとく、演じてきた。
マスコミも、それに同調して報道してきた。

その欺瞞は、とっくに破綻している。
事故の現実を直視すれば、すぐに分ることだ。
<レベル7>の発表後、マスコミもやっと<チェルノブイリ>に触れ始めたが‥‥。

◆反響
<レベル7>宣言に対する内外の反応は、データから見て「妥当」としている。
同時に、日本政府の危機感の鈍さも指摘している。
宣言は、政治レベルのダメさ加減をも世界に開示した。

中で、ロシアでは「7は過剰」との評価も示したという。
<チェルノブイリ>の惨状を知る故に、「福島など足元にも及ばない」といいたいのかも。
旧ソ連時代の事故の真相は、依然として<鉄のカーテン>に覆われているようだが‥‥。

また、中国政府は日本政府に「事故の状況とデータの完全な開示を要求」した。
もっともな要求ではあるが、一言いいたくなる。
国家で厳しい情報統制をしているのは、どこの国か、と。

◆<チェルノブイリ>とは異なる深刻さ
福島原発事故は、<チェルノブイリ>のような大惨事になる可能性は低いようだ。
しかし、異なる深刻さを抱えて、現在進行形だ。
しばら事態の推移を注視して、別途、記事を掲載したい。

◆菅総理も<レベル7>
このところの菅総理の言動は、もはや収拾がつかない情けなさだ。
総理までがレベル7>に至ったようだ。
日本の政治危機であり、何とかせねば。

先日(4/3)の記事でつぎのように書いた。
<最高権力者である総理がダメなら、押し込める(座敷牢とはいわないが)のも一案だ>
これを実行すべき時が来てしまったように思える。

民主党内では、例によって、小沢・鳩山氏が蠢(うご)めいている。
自民党も、相も変らず、首相退陣を迫っている。
しかし、こうした政局政治家達の手に負える日本の状況ではない。

そもそも「自分が首相ならどうするか」という具体的政策を提示して発言していないのだ。
いずれも、首相になったところで、安倍氏以来の1年内閣で終わるであろう。
政局がらみの政治空白が、また延長されるだけだ。

総理は飾り物にして、実務能力のある与野党政治家でチームを組むのがいい。
主導権争いなどしているヒマはないのだから。
政局にしか目の行かない<ゾンビ政治家>が登場する場面ではない。