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日本の課題~人材育成

◆人材育成の論議
日本は、人の能力を資源として生きていく国である。
そのためには、高い能力の人材の育成が必要である。
ということについては、誰にも異論はない。

経済の閉塞状態を突破するため、研究開発や技術開発分野の人材強化が求められている。
なのに、日本は、先進国の中でも、教育予算の対GDP比がかなり低いという。
で、改めて教育改革がいろいろと論議されている。

そうした教育改革論議で気になることがある。
世界に通用する日本人的資質をどう身につけさせるか、に触れていないことだ。
知識や能力は、教育や訓練で身につけることはできるが、資質はそうはいかない。

◆基本的資質は幼少時に
おふくろの味、ふるさとの味を人は一生忘れない。
舌の味蕾(みらい)にしっかりと味が刻み込まれている。
幼少時の懐かしい思い出になってくれる。

味だけでなく、全ての感覚についても幼少時の記憶は体が覚える。
感性やセンスも同じで、幼少時に体に記憶される。
感性やセンスのような日本人らしい基本的資質は、後追い教育では間にあわない。

日本人の感性やセンスは、自然との関わりの中で磨かれてきた。
日本人の感性やセンスは、世界に誇る和の文化の基本的資質である。
日本人の感性やセンスは、幼少時に自然の中で過ごすことで体得される。

◆田舎で子供を育てよう
つまりは、田舎で子供を育てよう、ということだ。
日本人としての感性とセンスに優れた人材は、幼少時から育成しなければならない。
そうした基本的資質の上に、知識と能力を加えていくことが望ましい。

田舎の環境としては、やはり米作りがいい。
とはいっても、現代の機械化・効率化された農業は適切ではない。
伝統的な(やや古い人力便りの)米作りが適している。

伝統的な米作りでは、大型農機は使わず、土を傷める農薬も化学肥料も使わない。
伝統的な米作りでは、人が自然と折り合いをつけ、自然を利用し、その恵みを受けとる。
伝統的な米作りでは、自然と人の関わりのほとんどを実感できる。

◆始めチョロチョロ、中パッパ
小学校の4年生位までは、知識や能力はほどほどにして、もっぱら感性とセンスを育てる。
日常的に自然の中で生活し、田畑で農家の人(高齢者が適任)に指導を受ける。
やがて子供達には、生活にどんな知識や能力が必要かが分かってくる。

必要な知識は、当然、あらゆる学問領域にわたる。
知りたい知識は、与えられる知識よりも、桁違いにマスターが速い。
子供の知識欲と能力は、大人の想像をはるかに超越している。

幼少時の子供は、田舎の環境でのびのびと自由に育てるに限る。
それから知識を習得し、ついで興味ある専門分野をめざす。
明治時代の優れた人材も、そういう育ち方をしたのではなかったか。