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2011年02月28日

参考書~「城郭の見方・調べ方ハンドブック」

◆城郭の見方・調べ方ハンドブック
お城について、かなり入れ込んで調べている。
西荻図書館で参考書を何冊も閲覧し、借りたりした。
建築の書棚にあった1冊を紹介する。

・城郭の見方・調べ方ハンドブック
   西ヶ谷恭弘ほか編著 東京堂出版 2008年 2,520円

前回紹介した「城郭みどころ事典(東国編),(西国編)」の姉妹本だ。
城別ではなく、天守、櫓、門、堀、石垣などからの見方をまとめてある。
これも、NHK教育TVの「にっぽんの城」テキストの広告に載っていた。

◆説明文も写真もかなり充実
天守にば、望楼型と層塔型があること、飾り屋根(破風)の種類などが理解できた。
櫓や門についても、あいまいだったところが理解できるようになった。
写真は、見方のポイントを押さえているものが多く、参考になる。

◆ハンドブックとはいえない!
要点がまとまっておらず、文章全体を読み直さないと、知りたいことがつかめない。
書いてはあるが、どこに書いてあるかが見つけにくいのだ。
小見出しがあまり適切でなく、歴史と特徴と実例の記述が混在していて、ややこしい。

表にまとめてないから、一目では内容が分らない。
入母屋や切り妻のような初歩的基本用語(?)の説明が無い。
索引も無い。

つまり、持ち歩いて気軽に参照することは困難で、とてもハンドブックとはいえない。

◆ネットで補ってみたけれど
足りないところは、ネット検索で探す。
検索用のキーワードが豊富になったので、かなり有効なHPが見つかった。
しかし、結論を言えば、理解は進んだが、欲求不満も高まった。

昨年11月に訪れた『彦根城』の天守は、「どういう天守なんだろう?」
上の本で説明されている「天守」の構造や破風の分類のどれに当てはまるのか?
情報はバラバラに散らばり、しかも不完全だから、具体的な「天守」では迷宮入りだ。

『姫路城』は実例になっているから分るのだが、ほとんどの他の城の天守はダメだ。
文章も写真もイラストも、誰でも分るようにはなっていない。
「何でまともで具体的なな天守説明が無いんだよ?」というストレスだ。

◆自分で調べるしかない
とはいうものの、この前の『彦根城』紀行の写真も、ただ撮っただけのレベルだった。
とても『彦根城』天守を語る写真には使えない。特徴を掴む「視点」がない。
「視点」を定め、自分で調べるれば、納得できる写真が撮れる。

たぶん、3月中には『彦根城』天守紹介の速報版を公開できると思うので、乞御期待。
『岡山城』天守も紹介したい。天守巡りも城下町機構のテーマに加えよう。
「天守」が急浮上したけれど、城郭や城下町についても、同じ欲求不満を抱えている。

2011年02月17日

参考書~「城郭みどころ事典」

◆城郭みどころ事典(東国編)&(西国編)
お城について、なかなかよい参考書を2冊購入した。
先回紹介したNHK教育TVの「にっぽんの城」テキストの広告に載っていた。
西荻図書館の蔵書にあったので、閲覧して確認し、Amazonに注文した。

・城郭みどころ事典(東国編)72城
・城郭みどころ事典(西国編)83城
   西ヶ谷恭弘ほか編 東京堂出版 2003年 2,310円

城にもよるが、説明文は十分に役に立つ内容だ。
写真も多く、ポイントを押さえているので参考になる。
縄張り図もすっきりと描かれていて、分りやすいものが多い。

写真は、撮影場所が縄張り図にマークされていてありがたい。
サイズが小さく、不鮮明なものもあり、モノクロも多い、などに不満はある。
撮影の季節や時間帯などの簡単なアドバイスがあってありがたい。

◆城と城下町
全国155城を網羅して、平均的に扱っているため、悪しき平等が目立つ。
この種の本(100名城、城下町100選など、古地図散歩シリーズも)の共通の欠点だ。
紹介が十分過ぎる城もあれば、全く不十分な城もある。

ほとんどが2頁か4頁で、最大6頁(大坂城、彦根城、姫路城など)である。
1対10位の差をつけてもいいように思う。八方美人は、かえって不親切だ。
もっとも、多くの城を網羅的・平均的に掲載する方が、本の売上部数は上がるのだろう。

もうひとつ、お城の本だからやむを得ないが、城下町の紹介がきわめて薄い。
萩は城は目立たないが、城下町はすばらしく、津和野は小京都風の樹下町なのだが。
城の縄張り図が主で、城下町は原則対象外になっている。

◆さりながら
他の本などではよく分らなかったお城について、手ごたえのある情報を提供してくれた。
4,620円は妥当な買い物だった。
つぎの城下町紀行(4泊5日の予定で検討中)の楽しみがぐっと増えたのだから。