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城下町参考書を集める3

◆続いて1冊、城下町古地図散歩シリーズを購入
シリーズの6冊目。
Amazonに出品されていた中古本で、業者から昨日(11/12)届いた。

◇城下町古地図散歩 4 大阪・近畿[1]の城下町

この大阪・近畿編の目玉は、「彦根」である。
「彦根」は、日本最高の<城下町>と評価されている。
幕末の大老・井伊直弼の藩で、35万石だったが、桜田門の変の後に25万石に減らされた。

Amazonには以前から中古本が、5,0000円で出品されていた。(定価は、2,8000円)
「彦根」のためには少々高いと思い、購入を控えていた。
なかなか他の出品がなかったが、11月に入って、一度に3冊が、3,5000円弱で並んだ。

待ってました!、中で状態の良さそうなのを選んで注文した。
Amazonには、シリーズの他の中古本も出品されていて、九州編は来月の予算で購入する。
シリーズ全巻を揃えるつもりだけど、残りの関東編と北陸編は急がない。

◆<城下町>「彦根」
まだ訪れたことがないので、このシリーズならではの情報を期待していた。
さらっと眼を通して意外だったのは、各城下町への記述の頁配分。
なんと記述全体(155頁)のうち、大阪に44頁も、対して彦根はわずか11頁だ。四分の一。

確かにメガ城下町の大阪であるが、昨今の印象からすると、ずいぶんと不均衡。
今、<城下町>として記述するなら、逆の頁配分になるかもしれない、と思った。
つまり、<城下町>とは何か、ということなのだ。

 ◇ ◇ ◇

江戸時代の大阪は、豊臣氏滅亡の後、米取引をはじめとする「商い」の町であった。
明治以降は、商都から工都へと変身し、立ち並ぶ煙突が、大阪のシンボルとなった。
そして、現在は、やや個性を欠いて、かなりの街が「ミニ東京」的になり果てた。

彦根は、ひたむきに<城下町>であり続け、街全体が<城下町>意識でまとまっている。
明治政府の城郭破却命令に抗して、明治天皇に直訴し、城郭を守ったという。
戦災も受けず、 天守閣や堀、庭園を含めて、彦根城は江戸そのままに存在しているのだ。

◆古地図散歩シリーズから見る<城下町>
このシリーズは、1995-98年の発行だから、15年ほど前の内容だ。
以来、日本は長期にわたり低迷し、その中で、城下町も大きく変化・変革している。
約400年前の城郭を中心として、明治以来の歴史が、各城下町にはっきりと刻まれている。

多くの城下町で、近年、各種の復元・修復・修景・整備が行われ、バージョンアップした。
城下町を見る眼も、お城の観光・鑑賞から、街として楽しむ方向へと変ってきた。
意識している城下町、変り映えしない城下町、努力している城下町、いろいろだ。

このシリーズから読み取って、自分なりの視点で、主な城下町を回ってみたい。
実地に歴史と現状を把握してみたいし、15年前との対比も興味がある。
彦根からスタートして、約15城下町が第1次候補である。

◆古地図散歩シリーズ
6冊を集めた。

◇城下町古地図散歩 2 名古屋・東海の城下町
◇城下町古地図散歩 3 松本・中部の城下町
◇城下町古地図散歩 4 大阪・近畿[1]の城下町
◇城下町古地図散歩 5 萩・津和野・山陰・近畿[2]の城下町
◇城下町古地図散歩 6 広島・松山 山陽・四国の城下町
◇城下町古地図散歩 8 仙台・東北・北海道の城下町