« 2009年03月 | メイン | 2009年05月 »

2009年04月21日

昔ながらの線香花火2 ~ 東京・蔵前「山縣商店」

◆線香花火の「スポ手」と「長手」
線香花火には、2種類ある。
「スポ手」は、藁(わら=わらスポ)や葦あし)の先に火薬を入れた線香花火。
「長手」は、紙で撚(よ)ったこよりの先に火薬を入れた線香花火。


「スポ手」 「長手」




「スポ手」は、江戸初期(1650年頃)、鍵屋が「わらスポ牡丹」として売り出した。
これを火鉢や香炉に立て、キセルで火をつけて遊んだという。
ちょうど仏壇に供える線香のようだったので<線香花火>と呼ばれるようになった。

「長手」は、江戸後期(1820年頃)、玉屋が「紙観世の長手牡丹」として売り出した。
紙観世とは、紙のこよりのことで、街中を売り子が口上を述べながら売り歩いた。
線香を逆さにして火花の芸を楽しむという、すばらしい江戸のアイデア商品と思う。

◆消滅と復活
人手間のかかる線香花火も、経済の流れに飲み込まれて、中国産に席巻された。
国内の産地は次々と撤退し、10年程前に国産の線香花火は消滅した。
その時、復活の救世主として現れたのが東京・蔵前の「山縣商店」であった。

1999年の暮れから、愛知県岡崎市の三州火工と協力して試行錯誤の繰り返し。
約2年かけて、ようやく昔ながらの線香花火らしい火薬ができた。
和紙を決め、染め上げて、こよりの撚り手(経験者のお婆さんが指導)を確保した。

◆『大江戸牡丹』の完成
こうしてできたのが純国産の「長手」線香花火で、『大江戸牡丹』と名付けられた。
そのすばらしさは、前回のビデオで、ある程度ご鑑賞いただけると思うj。
復活に尽力された方々に拍手喝采、感謝したい。

(この記事は、山縣商店のしおりを参考資料にして書いたものです)

【ここで一首】
   <技と粋 昔ながらを 再びに 大江戸牡丹の 火花きらめく>

2009年04月20日

昔ながらの線香花火 ~ 東京・蔵前「山縣商店」

線香花火のビデオ

◆線香花火との新しい出会い
赤い火玉がジュワーッと丸くなる。
パチパチと火花が激しく飛び始める。
やがて火玉が小さくなると火花も小さくなる。

時折パチ、パチして、ハラハラとしだれ柳。
ポトリと火玉が落ちて、線香花火『大江戸牡丹』は終わる。
火薬の煙と匂いの中で、光と影の約3分間のショーの余韻に浸る。

 ◇ ◇ ◇

子供の頃、夏になるとよく花火で遊んだ。
いろいろな花火の中で、なぜか線香花火が懐かしい。
想い出に再会するつもりが、全く新しい線香花火と出会うこととなった。

◆『大江戸牡丹』とは
『大江戸牡丹』は、江戸時代から創られていた線香花火を純国産で「復活」させたものだ。
伝統的な国産品は、中国産に押され、10年ほど前迄に消滅した。
それを東京・蔵前の「山縣商店」が、平成12年(2000年)に「復活」させた。

◆山縣商店へ
いつぞや新聞で見た覚えがあり、改めてWeb検索で確認した。
夏には入手困難かも知れないので、思い立ったが吉日と早速買出しに。(4/16)
お店は、JR浅草橋駅から浅草方面へ徒歩約8分、蔵前橋通りとの交差点角にある。

どう見ても花火屋さんらしくない店構え、どう見ても花火屋さんらしくない店内。
売っている花火は線香花火だけ。他にはレトロなブリキのオモチャが数種類。
『大江戸牡丹』は、10本入りのパッケージ(おシャレなデザイン)で525円。

10袋をまとめ買いし、他の二つのブランドを各1袋買った。
ご主人に簡単に商品の説明をしていただいたが、このときは馬の耳に念仏。
(今は教えていただきたいことがいろいろとある)

◆線香花火に<技と粋の極み>を見る
『大江戸牡丹』は、江戸の花火職人の技と粋な心の結晶を「復活」させた。
細いこよりの先のわずかな火薬で、起承転結の光の芸術を演出する。
火花を飛ばしながら、四季の移ろい、諸行無常の世の中までを思わせる。

「線香花火のようにはかない」という。
この線香花火kこそが、それを深く実感させてくれる。
『大江戸牡丹』は、子供のオモチャを超えて、日本伝統の「和の心」を呼び覚ます。

たかが線香花火に技と粋の極致を込める匠達と、それを読み解き賞でる市井の人々。
そこに世界に誇る日本の文化の土壌がある。
GDPや経済効率を妄信する政治家・経営者・学者・官僚共は、線香花火を拝むべし。

【ここで一首】
   <華やかに やがて散りいく いろは歌 線香花火に 大江戸の芸>

2009年04月07日

井の頭公園で花見・撮影

◆快晴のお花見日和
4月6日月曜日、暖かい晴天だ。
桜の写真を撮って、ホームページに飾ろう。
桜のいっぱいある所にしよう。

月曜だから井の頭公園もすいているだろう。
JRも一駅で、家から30分かからないし。
ということで、正午過ぎにカメラを担いで出かけた。

◆井の頭公園は花も人もいっぱい!
吉祥寺の駅から公園へ向かう。見通しが甘かった。
細い横丁は、ラッシュ並み。これから行く人、帰る人。ぞろぞろり。
月曜なのに東京にはよくこんなに人がいるもんだ。沿道のお店も大繁盛。

園内の広場は小人数用のビニールシートで満杯。
ベンチもイスも満杯、柵に腰掛けたり、柵の外(池縁り)にまで人だ。
遊歩道を行きかう人また人。池のボートはフル回転で、売店も長い行列。

家族連れ、年配のご夫婦、女性グループ、カップル、杖に頼るお年寄り。
学生、外国人少々、バギーの母子連れ、一眼レフを構えるカメラマニア(自分も)などなど。
団体の観光客はいない。職場グループは夜桜で宴会か。

これだけ混みあっていても、穏やかでのどかな雰囲気。
ポカポカの春の陽気に、みんな満開の桜を楽しんでいる。
たまにそよ風で花びらが舞い落ちる。

◆桜
池の北岸が桜並木になっている。
大木・古木が池の上に幹を伸ばし、枝を拡げ、花をっぱいに咲かせている。
みごとな満開に感激!

◆花より写真
桜の花のアップをきれいに撮りたかった。
この日は風がなかったので幸い。花が揺れない。
池の南側にちょうど条件に合う木(順光で青空を背景に撮れる)を見つけた。

梢の花を望遠レンズでアップにして撮影。
絞りを上げて(f19)撮ると、枝の花全体が鮮明に写る。

絞りを下げて(f6)撮ると、ピントを合わせた花の周囲をボカすことができる。

約1時間で31枚を撮影した。
自己採点では、なかなかに良い写真が撮れたと思う。
10枚を選択して「桜の花アルバム2009」を作ることにする。

カメラを持つと、眼がファインダーになる。
でき上がりの写真を思い浮かべながらシャッターを押す。
花より写真の境地。