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2010年12月24日

彦根~居酒屋『をかべ』

◆旅先の居酒屋
旅先で、<飲み屋街のよい居酒屋>を見つければ、その旅は安心だ。
たいていは2泊3日で滞在するから、居酒屋には2回は立ち寄る。
気さくなお店に出会うと、そので過ごす夜が楽しくなる。

 ・飲み屋街にあるこじんまりした庶民的な居酒屋
 ・会話を楽しめるマスタや地元のお客さん
 ・ご飯で夕食がとれること

などが、<飲み屋街のよい居酒屋>の条件だ。
酒を飲むだけでなく、しっかりと夕食がとれて、土地の人と言葉を交わす。
こういう店は、料理のメニューも気が利いていて、しかもおいしい。

彦根では、飲み屋街を<袋町>といい、旧城下町の西南部にある。
もともとは足軽の居住地で、整然とした縦横の路地に小ぶりな飲食店が並ぶ。
にぎやかなチェーン店などはなく、古民家も点在する静かな街だ。

◆居酒屋『をかべ』
『をかべ』は袋町にちょっと入った所にあり、わが理想の<飲み屋街のよい居酒屋>である。
他にも似た感じの居酒屋2軒を品定めしたが、<おでん>と染め抜いた赤提灯が気に入った。
少々冷え込んだ夜には、暖かい<おでん>がたまらない。

店は、細長い>カウンタで、まだ他の客がいなかったので真ん中あたりに座る。
生ビールにして、さっそく<おでん>を注文。
マスタが鍋からみつくろって皿に入れる。

「昆布を入れて~。昆布巻きをね」
「あ~、東京の人は昆布だね。でも関西では昆布はダシ。昆布巻きはないねぇ」

「じゃぁ、彦根らしいのを頼みます。何があるのかな?」
「スジだね。牛のスジ」

「それがいい。あとはおまかせ」
「はい、お待たせ」

と、いうようなことで、牛スジのおでん。
長いスジを折りながら串に刺してある。
コリッとして、プルッとして、良く煮込んである。

牛スジに気をとられて、ほかに何が入っていたか忘れた。
マスタと手伝いの女性(彦根美人風)と話し始めたら、お客さんが一人入ってきた。
久しぶりのおなじみさんで、やはり<おでん>を頼んだ。

「寒くなると、<おでん>がいいですねぇ」と話の輪が広がる。
この方は、大阪方面から彦根に来て、もう十数年という。
住みついた彦根の魅力はなにか。聞いてみればよかった。後悔しきり。

1日目の土曜の夜の<一期一会>。
サンマの開きを焼いてもらい、ご飯を一杯、生ビール追加。
ほどほどに過ごした2時間。お愛想は、2,300円也。安~い。

2010年12月21日

新発田~天然ナメコと野生の鴨肉

◆親戚の奥さんの手料理
新発田へ行くと、いつも〆切の親戚宅へ伺う。
〆切は、市街から車で12分ほどの集落。
ここでのおもてなしは、奥さんの手料理。

今回は、特別なふたつの料理をいただいた。
<天然なめこのおろし和え>と<野生の鴨肉の吸い物>
どちらも物語つきの逸品である。

◆天然なめこのおろし和え
天然なめこは、かなり遠くの山で、奥さんが採ってきたもの。
山の奥の方の楢(なら)の木の幹に自生する。
幹の周りにびっしりと生えているそうだ。

木の皮に熊の爪あとが残っていたという。
そんな山中をめざして、知合いと連れ立って、未明に車で出かける。
とてもエネルギッシュな奥さんである。

 ◇ ◇ ◇

この天然なめこは、市販品と異なり、笠が開いている。
ちょうど平茸のような姿・形で、直径4センチ位のもある。
色は、いわば、なめこ色である。

おろし和えで食べると、ツルツルとして冷たく爽やかだ。
ツルリツルリ、ツルリツルリだ。
あぁ、もう秋も終わりだなぁ。

◆野生の鴨肉の吸い物
野生の鴨は、近所のMさんの獲物である。
Mさんは、大規模農業で、約20ヘクタールの米作りをしている。。
当初、親戚の紹介で田植や稲刈りを撮影させていただいたご縁がある。

そのMさんは、猟師でもあり、冬場には北海道へ鹿や熊を撃ちにいく。
ただし、今回の鴨は猟銃で撃ったものではない。
なんと、近所の田んぼに仕掛けた網で捕獲したものなのだ。

 ◇ ◇ ◇

冬、月夜の晩か早朝未明か、水を張った田んぼにおとりの鴨を放しておく。
餌を探して飛んでくる野生の鴨の群れが、おとりにつられて、田んぼに降りてくる。
テントに隠れていたMさんが、頃合を計って仕掛けの網をパッとかぶせる。

一網打尽の鴨は、弾の破片が入っていないので、料亭などに評判が高いという。
Mさんと夫婦づきあいの親戚宅に、おすそ分けの鴨が丸ごとで届けられる。
奥さんは、鶏と同じ要領で、鴨の毛をむしり、みごとにさばくのだそうだ。

 ◇ ◇ ◇

野鴨の肉は、固くて臭みも強いので、じっくりと煮込んで調理する。
吸い物には鴨の味が沁みだし、肉はしまりがあってシコシコ。
スースー、シコシコ、スースー、シコシコ。もう、冬だなぁ。

2010年12月06日

彦根~喫茶店『ベニヤ』

◆旅先の喫茶店
旅先で、<街のよい喫茶店>を見つければ、その旅の半分は成功だ。
たいていは2泊3日で滞在するから、喫茶店には3~4回は立ち寄る。
繰り返し寄るお店に出会うと、うれしくなる。

 ・街中(なか)にある純喫茶
 ・会話を楽しめるマスタ
 ・なじみのお客さんとも会話ができる雰囲気

などが、<街のよい喫茶店>の条件だ。
ただ珈琲を飲むだけでなく、土地の人と言葉を交わし、情報を収集する。
こういう店は、珈琲もしっかりと入れてくれるのである。

◆彦根の『ベニヤ』
彦根でも、純喫茶は絶滅危惧種のようだ。
絶対数が少ない中で巡りあった『ベニヤ』は、けなげにも生き残っている。
往年の繁華街・銀座通りにあり、わが理想の<街のよい喫茶店>である。

最初に訪れたのは、2日目の日曜午後。
サイクリングの途中で、ふと、看板が目に留まった。
店構えがいかにも純喫茶風であり、ドアを開ける。

シックな店内、他に客はなく、ボックス席に座り、珈琲とトースト(700円)を注文。
午前中に通った道順などを地図で確認したりして、ホッとひと休み。
帰りかけに、マスタの奥さんと話し始めたら止まらなくなって、30分ほど立ち話。

和菓子、キャッスルロード、街の景気、などなど。
これがなれそめで、次の日も立ち寄る。
今度はカウンタ席で、なじみのお客さんも交えて、おしゃべりのひとときを過ごした。

2010年12月04日

彦根~埋れ木(いと重菓舗)

◆彦根の銘菓「埋れ木」
白餡を求肥で包み、抹茶を加えた和三盆をまぶした「埋れ木」。
口に入れると、上品な甘さとほのかな抹茶の香り。
求肥がねっとり、餡がしっとり。

「埋れ木」「いと重菓舗」いと重のお隣り

いと重菓舗の和風の店舗は、キャッスル・ロード近くの旧・紺屋町の筋にある。
「埋れ木」は、評判が上々で売れているとのこと。
買い損ねないよう3日目、早めに買っておいた。(6個入り、840円))

◆出会いは玄宮園の茶室
この「埋れ木」との出会いは、玄宮園の茶室・鳳翔台。
抹茶セット(500円)に添えられて出て来た。
これがおいしかった。

◆いと重菓舗(いとじゅう かほ)
彦根藩御用達の老舗菓子店。前進は糸問屋の「糸屋重兵衛」。
創業200年を記念して、キャッスル・ロードにギャラリーを開設したとのこと。
これは今回は見逃したので、つぎの機会に。